先日「グローバルリーダー育成2.0宣言」と題して、これからの時代に求められるグローバルリーダーの育成を宣言しました。 今回の宣言に関連して、インタビューを行ってもらいました。宣言だけでは話しきれなかった、想いを追加で5回に渡ってお伝えします。今回は第3回です。

グローバルリーダー育成宣言2.0「英語だけできてもダメだ」

グローバルリーダーとは

ーー「グローバルリーダー」の定義について教えてください。海外支社のマネジャーや支社長、といった狭いイメージの方も多いと思います。
船川さんにとって、グローバルリーダーとは、どんな人でしょうか?

まず、グローバル化、グローバル経営、そしてグローバル・ビジネスとは何か、明らかにした方がいいでしょう。グローバル化は最近始まった話ではなく、人類過去5万年ぐらいの営みであり、文明の進歩とグローバル化はきっても切れない関係です。近視眼的に見ていたら、この大きなうねりが捉えられないでしょう。
その意味で、中国語のグローバル化をあらわす意味のことば、全球化ということばをよくつかいます。まさに、冷戦が終わって30年、全地球的なスケールでカネ、モノ、人、そして情報は自由に行き来しているわけです。

グローバル経営とグローバルビジネス

 グローバル経営はその加速してきているグローバル化を踏まえて、どのように会社の舵取りをするか、ということで国際ビジネス、多国籍企業、そしてトランスナショナル、あるいはメタナショナルという経営モデルがあり、完璧とは言えませんが、その実践をしている企業が出てきているわけです。
 そして、グローバルビジネスは上記を踏まえて、どのようなビジネスモデルを構築し、どのようなビジネスを進めていくのか、という意味で、業界特性によって大きな違いがあります。つまり、製薬会社とアパレル産業では、開発から調達、製造、そして顧客やユーザーへのアクセスの仕方は全く異なるわけで、バリューチェーンのどこをどの程度、標準化するのか、分散化するのか、価値をどこで生み出すのか、をしっかり見極めなければなりません。

グローバルリーダーは、グローバルビジネスの先導者

ただ、こうした業界特性の違いを踏まえても、今のグローバルビジネスでは、いつでも、どこでも、誰とでも、協業し付加価値を生み出すことが求められているのです。よって、世界の実質的な標準公用語の英語ができれば、たしかに有利になります。当然、英語だけ出来てもグローバルビジネスができるとは限りません。
 グローバルリーダーとなれば、このグローバルビジネスの先導者であり、グローバル経営にも習熟し、そして今のグローバル化のうねりをしっかり見極めることが出来るということになるでしょうね。

(グローバルインパクト代表取締役・マネージングパートナー 船川淳志)

インタビュー:グローバルインパクト テクニカルパートナー&コンサルタント 海老原一司