内容紹介

世界の国境が無くなったビジネスシーンで、現在の日本に最も不足している人材、 それがグローバルリーダー。しかし、「世界」と聞くと、英語が話せない、
素質がないからと、最初から諦めてしまう人がいる。しかし、それは違う。
著者は言う。「その答えは『先天的なもの』ではない。また帰国子女とか、
海外で生まれ育っているとか、アメリカンスクールにいった、 というような問題ではない」(「まえがき 大前研一」より)。

世界と相対できる人材になるため必要なのは、「まず、第一歩を踏み出す」ことなのだ。
本書は、グローバルリーダーに必要とされる資質や思考を考察しつつ、 その一歩目の踏み出し方をも示す。
アメリカ一極主義の崩壊しつつある世界の今後の潮流を分析しつつ、 日本の企業・組織はどうあるべきか、個人が思考力や英語力を伸ばすためには
どうするべきかを示す。
あなたの人生を様変わりさせるチャンスがそこにある。次はあなた番だ――。

著者紹介

大前/研一
1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院で修士号、マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院で博士号を取得。経営コンサルティング会社マッキンゼー&カンパニー日本支社長、本社ディレクター、アジア太平洋会長を歴任し、95年退社。96~97年スタンフォード大学客員教授。現在、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長。また、起業家育成の第一人者として、05年4月にビジネス・ブレークスルー大学院大学を設立、学長に就任

船川/淳志
1956年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。東芝、アリコ・ジャパン勤務の後、米国サンダーバード校にてMBA取得。その後、シリコンバレーのクラークコンサルティンググループに入社。帰国後、グロービスのシニアマネジャーを経て、グローバル企業の人材育成と組織開発を行うコンサルティング会社、グローバルインパクトを設立。同社、代表パートナー。2003年4月期NHK教育テレビ「実践・ビジネス英会話」の講師も務めた。2007年からスカイパーフェクTV!757ch「ビジネス・ブレークスルー」で、グローバルリーダー育成のための番組講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

グローバルリーダーの条件
「グローバルリーダーの条件」

著者インタビュー

--「グローバルリーダーの条件」で、特に好きな大前さんのコメント、エピソードを教えてください。またその理由を教えてください。

・グローバルリーダーとして、一番大事なことは、「おもてなし」の精神!

学生時代に旅行ガイドをやって欧米から来ていた特に高齢者の面倒をみていたことが、その後の大前さんの活動の原点になっていたこと。1960年代に、それがどれほど大変か、是非想像しながら読んでほしい。大前さんの他者へのケアの精神があらわれています。

・翠嵐高校(神奈川)では英語を話していない!

大前さんが英語を使いだしたのは、上記の通り早稲田大学在学中から。この文章で、はたと気づいたのが、「そうか、私も都立駒場時代、英語を話していない!」こと。つまり、学校教育の英語は使える英語ではなく、日本の英語教育の根深い病理がここにある。

・朝、コーヒーを飲んだら「グローバル」になっている、なんていうのは甘い!

安直なグローバル人材育成ブームに対する強烈な大前節!全く同感。

--「この本を読んで読者に何を感じて欲しいですか?」また「この本を読んでどんな行動を起こして欲しいですか?」

・この対談の前、大前さんにお会いしたのはたったの2回。BBTでの番組講師をするので、そのプレゼンに招待されたとき。対談の依頼はメールでお願いし、大前さんが快諾していただいたから実現できたのです。つまり、この本は打ち合わせ一切なし、IQ215とか216の大前さんと縦横無尽に語った刺激ある時間を読者の皆さんにも体験していただきたい。

・そして、なによりも「一歩踏み出す」こと!

--「グローバルリーダーの条件」を読了した人に、進める本があれば教えてください。

ビジネスのノウハウ本よりもグローバルリーダーに必要な視野を広め、視座を高める本にふれること。哲学、歴史、なんでもいいから自分の好みにあわせて読みながら、それをほりさげ、広げてほしい。

--船川さんからみた大前研一さんについて教えてください。どんな方なのでしょうか。

本文中にあるように、例えば、いきなり旧ユーゴスラビアのチトー大統領の別荘に招かれた話が出てくる、それって一体どうして?と考えてみると「桁違い」の方だというのが良くわかる。リークワンユー、マハティールのアドバイザーをされていたことや、何しろ、欧州は400回、米国、韓国ともに200回ぐらいは出張で行っていたとのこと。文字通り、けた違いです。そして、なによりも今も自らが世界のいろいろな情報にふれながら、発信しつづけるという姿勢。

--「グローバルリーダーの条件」は2009年に発刊されました。10年超たった今改めて、この本を読む意義について教えてください。

冒頭、2020年あたりに世界のリーダーで残っているのはプーチンぐらい、と予見されていたことが思い出されます。同時に、グローバルリーダー育成は今からでも遅くないので、本書をしっかり読んでほしい。

--もし、いま「グローバルリーダーの条件」について追加で30分大前さんと対談できるとしたら、何を話したいですか?

大前さんと私の共通の趣味でもある、クラシック音楽とオートバイについて語りたいですね!

(撮影:伊藤大介)