「論理アタマをつくる!ロジカル会話問題集」第3章 ロジックの基本、演繹と帰納(設問15-21)

論理アタマをつくるには、最低必要な原理原則を理解しなければなりません。

そうでないと、第1章でも紹介したように「それは、あなたのロジックで私のロジックは違う!」という詭弁の罠にはまってしまったり、勝手な屁理屈と区別することもできません。

その意味で、演繹と帰納は論理アタマをつくる必須の原理原則の一つです。この二つは中学や高校でも学んでいるのですが、より実践的な学び方をこの章で紹介しましょう。

ロジカル会話問題集 設問16「人の内臓はアミノ酸と水でできている?」

①人間はせんじつめるとアミノ酸と水でできている

②人間には内臓がある

 上記の前提が正しいとすると

「人間の内臓はせんじつめると

アミノ酸と水でできている」という結論は?

A:正しい

B:正しくない

ロジカル会話問題集 設問16解説 

集合の輪で考える

 セミナーでこの問題を口頭で出して、「正しくない」と答えた人に理由を聞いてみると「だって、アミノ酸と水以外のものがあるかもしれないじゃないですか……」と言う人が少なくありません。

 もう一度、読んでいただければ「せんじつめると」という箇所と「上記の前提が正しい」とあります。つまり、アミノ酸と水の2つでできているということを否定しないで、前提を受け入れなければなりません。積木モデルは今回、はたしてどうなるのでしょうか?

 正解を聞いたとたん、多くの参加者が「あー、そうだった!」と声を上げます。正解は〈正しくない〉です。

「内臓の一部がアミノ酸だけで他の部分が水かもしれない」こともありうるからです。上の積木モデルは、正確に描けば下のようになります。全体がaとbであっても、部分がそうとは限らないのです。

ロジカル会話問題集 設問16 回答

正解はB

全体がaとbであっても、

部分がそうとは限らない

(文責:グローバルインパクト 代表 船川淳志)