「論理アタマをつくる!ロジカル会話問題集」第4章 メタファーとアナロジー(設問22-28)
メタファー(比喩)やアナロジー(類推)は我々の思考力の基本動作とも言える身近なものです。
これらをうまく使うと、思考力を活性化し、ものごとの理解を助けたり、会話に深みを持たせたり、うまく進めることができます。
同時に、関連のないメタファーやアナロジーの誤用は、思考や会話の混乱を引き起こします。
そこで、この章では、メタファーやアナロジーをうまく使いこなすコツを紹介します。
ロジカル会話問題集 設問24「異業種交流はほんとうに役立っている?」
田中「以前よく参加していた異業種交流会に出ているかい?」
佐藤「いいや、出るのはやめた。だって、参加している人は、自分にとってメリットとなるようなものを持っていないことがわかったから」
田中「それは君だって同じことじゃないか。言ってみれば○○○のようなものだ」
上記会話の○○○に当てはまるものとして、
もっとも適切なものは?
A:持ち寄りパーティーで持ってこないで食べるだけ
B:バイキングで好きな食べ物を食べているだけ
C:デパ地下で買い物をしないで試食をするだけ
D:ファミレスでコーヒー1杯で2時間ねばる人
E:食べ放題の店でしか飲食をしようとしない人
ロジカル会話問題集 設問24解説
メタファーの基本
前の設問23で見たように、置き換えやメタファーを効果的に使えるようになると話が伝わりやすくなります。しかし、どんな置き換えやメタファーでもよい、というわけではありません。いま一つのメタファーを使うと、かえって話が混乱してしまいます。
ここで田中氏が比喩したいものは何でしょうか。確認すると、佐藤氏は他のメンバーから何かを得ることを目的にしているけれど、誰も相手に与えるものを持っていないことがわかった。しかし、自分も他のメンバーと同じであることに気づいていないので、田中氏はその態度をとがめようとしている、というのが状況です。ここまで状況をつかむことができたら、それにもっとも近いメタファーを考えます。
こうした観点から選択肢を見ると、一つだけ自ら何かを提供しないとケチと思われる場面があります。そう、A〈持ち寄りパーティーで持ってこないで食べるだけ〉です。持ち寄りパーティーという何か持ってこなければならない場に、自分は何も持ってこないで、他の人の持ってきたものを食べようという状況です。 メタファーでは、実際に起きている現象と、メタファーで説明している内容とが一対一対応している、つまりa:b=c:dという構造が基本です。
ロジカル会話問題集 設問24 回答
正解はA
相手から得るばかりで、
自分は何も相手に与えていないという
比喩に当てはまるものを考える
(文責:グローバルインパクト 代表 船川淳志)